Cap-Martin(カップマルタン)|コンセプト住宅ラインナップ
Cap-Martin
カップマルタン
Cap-Martinで暮らす
創業25周年を記念し、2021年に立ち上げたブランド「Cap-Martin(カップ・マルタン)」。デルフォニックス代表の佐藤 達郎氏をコンセプトデザイナーとして迎えました。
特筆すべきは、岐阜県多治見市の職人の手で焼かれた味わい深いブルーのタイル。大量生産では表現しがたい色合いが、工芸品のような色合いを熟成しています。
数十年先も飽きることのないデザインを目指しました。
海辺のリゾートで寛ぐような、穏やかで実りある時間をお過ごしください。
“ヴィラ(別荘)”を
イメージした住空間
「Cap-Martin(カップ・マルタン)」のモチーフは、南仏モナコに隣接する小さな村"カップマルタン"。
青い海と澄み渡る空、自然の香りに囲まれたカップマルタンの丘に建つ“ヴィラ(別荘)”に着想を得て、
隠れ家のようなリゾート感に包まれた住空間を描き出しました。
マルジェの強みであるお客様目線の機能性や住みやすさはそのままに、本質感の漂う家づくりにこだわりました。
佐藤達郎
「DELFONICS」「Smith」の代表兼デザインディレクター。
オリジナルステーショナリーの企画デザイン・卸・輸出入のほか、文具・雑貨のセレクトショップ「DELFONICS」「Smith」を国内とパリ ルーヴルにて展開。
⾃社の店舗内装だけでなく、オフィスロビーや住宅など空間デザインの仕事も⼿がけられています。また、年に一度、青山学院大学の講師として教壇に立つなど、幅広いキャリアを持ったクリエイターです。
コラボレーション
のきっかけ
佐藤氏は2018年にNHK総合番組「世界はほしいモノにあふれてる」にバイヤーとして出演。イタリアの様々な場所を訪れ、買い付けを行う模様が密着され話題を集めました。それを⾒ていたマルジェ社⻑の佐々⽊と開発担当者が興味を持ったことがコラボレーションのきっかけです。
両者がともに⾳楽を好きだったこと、海外⽂化への興味などお互いの指向に共通するものがあったことが今回のコンセプト住宅の誕⽣に繋がりました。
リビングダイニング
本質感の漂う家づくりにこだわり、数十年先も飽きることのないデザインを目指しました。
リビングの床タイルはライムストーン調でナチュラルな心休まる空間を創りあげます。別荘に帰るような楽しみの毎日。実りある時間のある家。それがCap-Martin。
岐阜県多治見市の職人の手で焼かれた
味わい深いブルーのタイル
地中海の深海と浅瀬を彷彿とさせる、ネイビーのような深い色味を帯びたブルーのタイルは「Cap-Martin」の象徴のひとつ。
大量生産では表せないクラフトの色合いを熟成しています。
世界三大銘木「マホガニー」
“カリブの宝”と呼ばれるマホガニーをフローリングに。
ひとつひとつの木片は表情豊かなのに、全体で見ると統一感を感じさせる仕上がり。
時が経つと色に深みが増し赤褐色の色合いに。
家族の成熟とともに変化をお楽しみください。
「織」
マスターベットルームのクロスには何千本もの糸を縦と横に紡ぎ合わせた織物を。
しなやかな撚糸は日本の風土が生み出した芸術品。
無限の表情を見せる繊細な美しさは空間を格調高く彩ります。
ルーバーの建具
お部屋の収納扉は部屋の印象を大きく左右する大事な要素。
「ものを隠す目隠し」という扱いではなく、「大切なものを集めた場所の入口」として。
施工実績
まずは、佐藤さんのキャリアから伺ってもよろしいでしょうか
学生時代は音楽に没頭していましたが、アンティークやグラフィカルなデザイン小物に惹かれて、1988年にステーショナリーメーカーの「DELFONICS」を設立しました。卸や輸出入のほか、文具・雑貨のセレクトショップ「DELFONICS」「Smith」を国内とパリ ルーヴルで展開しています。今でも様々な商品制作からショッププロデュースまでデザインディレクションに携わっています。
オリジナル商品のひとつ、ポケット付きのリングノート「Rollbahn(ロルバーン)」をお使いの方もいらっしゃるかもしれません。
マルジェの住宅デザインに関わることになったきっかけは?
セレクト商品やビンテージアイテムなど、海外での買付けも多く行ってきたのですが、これまで各国のさまざまな文化やデザインに多く触れてきたこと、また、それを仕事にしていることに興味をもっていただけたからだと思います。
マルジェの佐々木社長やスタッフの方々と話をする中で、建築家や専門家の方々だけではなく、グローバルなデザイン感性やリアルなライフスタイルなど、むしろ専門外からの多様な視点を大事にされていると感じましたので、私自身もぜひコラボしてみたいと思いました。
住居デザインに興味があったのでしょうか
もともと建築やインテリアデザインにはとても興味がありました。
仕事として直営店舗30件以上の内装ディレクションに関わってきましたが、店を作る以前に、ただただ空間を作りたい気持ちも強くありましたね。プライベートでは自宅やセカンドハウスのリフォームを5,6回こなした経験があったのも大きかったです。
徐々に空間デザインに関わる仕事のお声がけをいただくようにもなっていました。
その興味の源はなんでしょう
ルーツを辿ると中学生に上がるときのこと。
祖父の家を増築して同居することになったのですが、自分の部屋の床・壁・天井のすべての素材を選ばせてくれたんですよ。といっても当時のこと、安い材料の見本から選ぶ程度のことでしたが。
それまで畳の上でしか生活したことがなかったし、欧米のインテリアに憧れていたこともあって、木の床はマストでした(笑)。
友人の家で見た木壁もマネしました。今思うと、どちらもプリント合板の安っぽいものでしたけど、もう本当にうれしくてね。
もとは昭和元年に祖父が自分で設計して建てた家で、畳はもちろん、障子に縁側、床の間、仏壇のある座敷、などなど典型的な日本の母屋でした。今ではその良さもとてもよく理解していますが、当時はそれが古臭く感じられて嫌だった。
なんとしても自分の部屋だけはモダンな部屋にしたかったんですよ。
子供ながらに感じたモダンのイメージソースはどのような所から?
テレビドラマや海外映画、雑誌で見た都会の生活シーンだったと思います。
でも直接受けた影響は、実家のある街の市庁舎と円形ホールからなんですよ。
物心ついた頃からそこにあったふたつの建造物は、ル・コルビュジエに師事したモダニズム建築家、坂倉準三の設計によるものでした。市庁舎はコンクリートにガラス張り、円形ホールは深みのあるブルータイルが全面に張りめぐらされ、中学生ながらに「おしゃれだな、かっこいいな」と。そこに行くといつも都会の雰囲気を感じていました。残念ながら数年前に建て替えられてしまいましたが。
子供のころの心象風景ですね
そういった目に飛び込んでくる表面的な景色は大きなポイントになったと思いますが、建物の魅力だけではありません。山と海に囲まれた街の気温や湿度、自然の音やにおい、目に見えにくい質感など、そういった環境も大きかったと思います。
幼稚園から小学4年生くらいまでの毎年の夏休みは、瀬戸内海に面する親戚の家に預けられました。年上ばかりの従兄弟たちに朝は宿題をみてもらい、午後から泳ぎを鍛えられたり山に遊びに行ったり。
幼い頃の瀬戸内での心象風景や原風景は、今でも仕事における美意識のベースになっていると思っています。
海外文化への関心はいつから持たれていたのでしょうか
学生時代にアメリカへ行ったことから始まります。海外旅行も珍しい時代でしたが、当時は音楽に夢中で、どうしても本場の音を聞きたくて。40日間くらいかけてロスからニューヨーク、ニューヨークからサンフランシスコまでグレイハウンド(バス)で転々として、面白い出来事にたくさん出くわしました。特に印象に残っているのがニューヨークのSOHO地区にあったロフト。倉庫仕様の古いレンガのビルを改装したアパレルショップを見つけたのです。経年変化のある古い建物がその良さを残しつつ、お店に再生されているのを目の当たりにした時は衝撃的でした。日本でもそういったスタイルが出てくるといいのにな、と強く思いました。
今ではすっかり主流にもなっていますね
そうなんです。アメリカから帰ってきて半年経ったころ、そういった内装の店が渋谷を中心に現れてきました。他にもアメリカで見たようなブティックやポストカード専門店が青山にできて、あれ?あそこで見た店じゃないかと。その時に、日本はコピー文化、よく言えばアレンジ力に長けていて、オリジナルよりさらに面白いものに昇華して、自分たちのものにするのが得意な民族なのだと気がつきました。
島国でもある日本の昔からの特質でもありますよね
建築でいえば僕の好きな日本の建築家、坂倉 準三、前川 國男、吉村 順三にも重なりました。欧米に渡り、巨匠建築家のもとで経験を積み、日本の伝統文化と欧米の要素を取り込んで日本のモダニズム建築を築いていった。とても比較にもなりませんが、僕もモノづくりなどで悩んだ際に考え方の指針になることがあります。
今回佐藤さんが手掛けた「Cap-Martin」のネーミングの由来は?
ずいぶん前になりますが、買付けでヨーロッパをまわるようになって南仏を訪れた時のこと、地中海沿岸の景色に出身地である瀬戸内の穏やかな原風景が重なって、次第にその環境や風土に惹かれていきました。スペインやイタリアの沿岸も訪ねるなか、10年ほど前、ル・コルビュジエの代表作のひとつ「休暇小屋」を見に行こうと、モナコに隣接する小さな村、カップマルタンを訪れました。コルビュジエとも親交のあったアイリーン・グレイの家など有名建築群を抱える「カップ・モデルヌ」と呼ばれるリゾート地なのですが、他の観光地のような俗化した感じのない、素朴で静かな街並みに魅了されました。こういうところに家を建てられたらいいな、形にできたらいいなと強く思ったんです。
「Cap-Martin」のディレクションでは、どんなことがポイントになりましたか?
南仏の空気感とか、地中海に重なる瀬戸内の原風景など、自分の大切に思っていたことに軸をおきました。その道のプロではないけれど、素人の方が豊かな発想になることもあると思います。既成概念にとらわれないで勝手に想像ができる(笑)。どちらがいいということではありませんが、凝り固まらないディレクションができたと思っています。
その一つが、玄関先やリビングなどに使用している、ネイビーのような深い色味を帯びたブルーのタイルです。これは一般のショールームなどで選べるタイルではありません。Cap-Martinで使用しているこちらのタイルは、岐阜県多治見市の加工場を何件も訪ねて、ようやく見つけたタイル加工の会社で作ってもらいました。
そのブルーは「Cap-Martin」の象徴にもなっていますね
地中海の浅瀬と深海を思わせる、奥行きのあるブルーの濃淡が魅力的です。そこにこだわりました。南仏のイメージだけど現地のタイルを使うということではなく、日本との風土の違いや、光の当たり方を意識して、日本で製造されたことに意味があると思います。アナログで釉薬を駆使して手間ひまかけた素晴らしい技術、日本工芸といっていいと思います。
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