INTERVIEW

シンプルさとオーガニックな暮らしを実現できる理想の住まいを現実に。

OrGA(オルガ)デザイナー/クリエイティブディレクター 軍地 彩弓 氏

シンプルさとオーガニックな暮らしを実現できる理想の住まいを現実に。

シンプルさと、オーガニックな暮らしで、理想の住まいを手に入れる

理想の住まいを手に入れる。それは人生において非常にドラマチックなできごとであり、住まう人にとって大きな転換点でもあります。そんな一大イベントに素晴らしいエッセンスを加えてくれたのは、(株)gumi-gumiの代表であり、「OrGA」のデザイナー 軍地 彩弓(ぐんじ さゆみ)氏。シンプルさとオーガニックな暮らしを連想させる「OrGA」をどのように具現化していったのか、お話しを伺ってみました。

トレンドを読む感性を培った編集者としてのキャリア

「OrGA」デザイナー 軍地 彩弓(ぐんじ さゆみ)氏

まずは、軍地さんのキャリアから伺ってもよろしいでしょうか?

雑誌の編集者としてのキャリアは25年ほどになります。私は茨城県出身で、東京の大学に進学して社会学を専攻しました。学生時代、アルバイトとしてリクルートに入社し、「マーケティングコミュニケーション部」という部署に配属されます。その頃はリクルートがフリーペーパーを作っていた時期で、ここから編集者としてのキャリアをスタートすることになります。

大学では社会学を学び、実社会ではリクルートのスペシャリストに混じってマーケティングの最前線を学ぶことができました。大学2年生のときに、雑誌「Checkmate」からオファーがあり、フリーランスのライターとして関わることに。そして大学卒業と同時に「ViVi」にファッションライターとして記事を寄稿するようになります。

「ギャルブーム」も軍地さんが関わっていらっしゃいますよね。

2000年頃のことですね。私が安室奈美恵さんなどを担当していたときです。「ViVi」がギャルブームの旗振り役でした。「JJ」や「CanCam」という強力なライバル誌よりも「ViVi」が売り上げを伸ばしていって、発行部数が50万部を記録して当時の売り上げ1位になったんです。

そして「アラサー」という新たなトレンドが生まれていきます。

その後、2004年頃に「GLAMOROUS」という雑誌を立ち上げ、「ViVi」を卒業した女性たちを「アラサー」と呼んで取り上げたことで、創刊当初から10万部売れて話題になりました。これがきっかけとなってコンデナストジャパンに入社して「VOGUE girl」の編集長に就任しました。

軍地さんの琴線に触れる女性って、どんな雰囲気の方でしょうか?

「シンプルにオシャレが光っている女性」ですね。1ヶ月で100人ぐらいの女性を見てきたので、これまで数万人の方と会っている計算になりますが、渋谷109の前に陣取ってインタビューするなど、多くの女性を見て分かったことがあります。

自分を表現したいと思っている女性、時代の少しの先を進んでいる女性を自然に見分けられるようになったんですね。厚底の靴が流行る前に、既に履いている女性がいて、2ヶ月後くらいに雑誌で紹介されると多くの女性のオシャレとして定着し始めているんです。

いまはそのタイムラグが限りなくゼロになっていますよね。Instagramにアップしたら、いいなと思うものはその瞬間に拡散される時代ですから。

「引力」を兼ね備えた住まいを実現したい

軍地氏のオフィスには国内外の書籍が置かれ、イメージソースの役目を担っています
軍地氏のオフィスには国内外の書籍が置かれ、イメージソースの役目を担っています

今回、軍地さんには、女性ならではの感性で「OrGA」をデザインしていただいています。

住宅業界は基本的に男性社会だと思うんです。現場なんて特にそう。そこで女性の視点から見たり、感じたアプローチを私なりに翻訳して形にする、という立場で関わらせていただいています。

「OrGA」で真っ先にイメージしたコンセプトはあるのでしょうか?

まず「オーガニックさ」をひとつのテーマに掲げています。できるだけ自然に近い素材、自然が感じられる素材を意識して選んでいます。

あとは、手入れが楽であること、床がフラットで掃除がしやすいこと、日当たりのよい空間・部屋であること、家族と自然に寄り添っている家であること。

結果として、シンプルに「暮らしやすさ」を追求しています。この考えって、何となくは分かっていたとしても、男性目線だとなかなか気づきにくい部分かもしれません。

軍地さんが考えていらっしゃる住まいに対するお考えを聞かせてください。

ひとことで言えば「ホーム・スイートホーム」です。 旦那さんやお子さんが帰りたくなる場所であって欲しいという願いを込めています。そしてもうひとつ、友人が集まってくる家であること。人が帰ってくる、集まってくる、そんな快適さと「引力」を兼ね備えた住まいが理想的かなと考えています。

住まう人と一緒に成長できる、息の長い家に

「OrGA」のイメージも、こうした書籍からヒントを得ていったのです

お子さんはもちろんのこと、旦那さんも心地良く暮らせそうですね。

そうなんです。「住まう人と一緒に成長する家」というイメージです。

家を購入してから20年〜30年と暮らしていくわけですよね。赤ちゃんが安心して家の中をハイハイできるとか、お子さんが成長して自分の部屋を持ちたいと言ってきたときに対応できる造りであるとか、やがて独立して、夫婦2人の生活が始まったときに趣味の部屋に改装して第2の人生を謳歌するとか…。そういう、住まう人の暮らしに寄り添っていける家造りや世界感を意識しています。

アクセントカラーとして、主寝室とキッチンの壁にもかなりこだわっているそうですね。

はい。そうなんです。塗りは4色から選べるようにしました。OrGAは、ブルックリンやポートランド、南仏、北欧それぞれの良さをミックスさせたものなんです。参考になりそうな資料や写真などを数多く用意して、マルジェと何度もミーティングを重ねてイメージを固めていきました。

日本って、中間色の壁が少ないんですね。ペンキの色数も海外に比べると少ない。海外では、ラルフ・ローレン氏自身がカラーバリエーション作っている「ラルフローレン」という種類のペンキがあるほど、色に対する思い入れが強いんです。

さらには「時短」を意識した様々な配慮もあるとか。

素材や色合いにこだわっていることはもちろんですが、家族にとって不便さを感じさせてしまうようなものは選ばないように心掛けています。夫婦共働きの家庭も多いですし、汚れたらすぐに掃除ができることも重要です。例えば、ルンバのようなお掃除ロボットがスムーズに家中を掃除できるような配慮も、これからの住まいには必要だと考えています。

住まう方が「最高の住まい」といえるようにしたい

軍地氏が幼少期に過ごした実家での記憶が「OrGA」の家造りにも反映されています
軍地氏が幼少期に過ごした実家での記憶が「OrGA」の家造りにも反映されています

ところで、幼少期にお住まいだったご自宅の記憶も「OrGA」に少なからず影響を与えているようですね。

私が小学校3年生のとき、父が設計士を交えて注文建築の家を建てたんです。父親も素人なりに設計図を描いているのを横で見ていました。そのときの記憶が今も鮮明に残っています。

実家が小学校のすぐ裏だったこともあり、友人が遊びに来て、裸足で家の中をペタペタと音を立てながら歩いているんです。吹き抜けの家で、私も大の字に寝転がっていましたよ。

竹藪を切り開いて建てた家だから、七夕の時期になると「今年の竹も軍地さんの家からもらおう」という話しになって、みんなで裏庭の竹を切り取って学校まで持っていきました。

父が建てた家は、私にとって最高の住まいでしたね。その感覚を「OrGA」にも取り入れたかったんです。

「OrGA」のrだけが小文字ですよね?その理由を教えてください。

これは地面から芽吹いた1本の木が成長していくようなものをイメージしています。

「OrGA」での暮らしが芽吹き(スタート)だとしたら、時間の経過とともに花が咲き、実がなり、そして新たな芽がぐんぐんと伸びていく…。その一端を私がお手伝いできるとしたら、これほど嬉しいことはないですよね。

最後に「OrGA」をご検討いただいている方にメッセージはありますか?

家を選ぶときに、ご自身の家族の暮らしをできる限り想像してみてください、ということですね。

例えば、朝食のメニューや会話の内容。夕方になって子供たちが学校から帰ってきたときの風景や、夕飯を準備しながら料理を並べている光景など…。そういったごくありふれた日々の暮らしを思い描いてみてください。私も、ご家族の皆さまにとって「居心地よさ」を徹底的に追求したつもりです。